「あしたのまち・くらしづくり2007」掲載 |
<子育て支援活動部門>あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞 |
読書活動を住民の手で広げ子どもからお年寄りまでの社会参加と交流を促す |
北海道ニセコ町 あそぶっくの会 |
あそぶっくの会の活動記録と現在までの成果 町民センターの2階にある図書施設の使い勝手の悪さに、町内のお母さんたちが行政に改善を申し出るとともにボランティアで本棚整理や読み聞かせを行なうようになったのが1996年のことである。 しかし余りにもお粗末な施設では、活動範囲も限られる上に、その施設が町民センターにあるというだけで総務課と教育委員会の双方に所属しており、一つのことを進めていくにも両方へ足を運ばなくてはならなかった。 そこでまず担当課を教育委員会の一本にしてもらい翌年には、子どもがゆっくり本を読めるスペース“絵本のひろば”を拡張してもらった。 しかし「サカキバラセイト」事件のようなショッキングなニュースに触れたり読書の重要性を認識していくにつれて、子どもたちへの良質な読書環境の必要性を強く考えるようになっていった。 そんな折に郵便局が新築されて古い郵便局舎が町の真ん中で空き家となったのである。 学校も近くにあり図書館としては最高の立地条件、是非ここを図書館にしてくれるよう署名を集めて要望、2000年7月には町民有志、教育関係者と役場職員からなる図書検討委員会を立ち上げ2年間に渡り視察や講演会・委員会を開催し図書館開館に向けて動き出した。 毎月の委員会開催や近隣町村とも連携をとりつつ開催した何回かの講演会や研修会そして町民にむけてのイベントや広報と、あっと言う間に2年が経ち2003年の4月4日公募による「あそぶっく」の名でオープンした。 しかしオープンが終わりではなかった。行政に任せていたのでは充分な施設の活用は望めないと考え、紆余曲折を経て検討委員会の町民有志が中心となり、新たな図書ボランティアを募り「あそぶっくの会」として運営を自らの手ですることとなったのである。 当初40名程のボランティアが今は80名近くの人が登録してくれている。 オープンより4年の月日が流れ今、子どもたちはランドセルを背負ったまま「あそぶっく」へとやって来る。お年寄りはシャトルバスの時間待ちのためにお茶を飲みながらおしゃべりをしていく(施設オープンの折にシャトルバスのバス停を設置してもらった)。 図書館業務等未経験の主婦が日々、本と格闘し住民の目線でイベントを開催する。 それらは簡単なことではない。時には専門家を招いてヘトヘトになるまで館内整備をしたり道立図書館への研修、学校図書室の整理や連携等々手探りの運営を続けていくうちに管内ではトップの貸出率を誇るようになった。 中学や高校の職場研修では「あそぶっく」を選ぶ子どもが毎年何人かいる。そんな子どもたちが「あそぶっく」で仕事がしたいな!と言ってくれるが、近い将来それが現実になれば、そんな嬉しいことはない。 あそぶっくは、子どもたちだけに限らず、あらゆる年齢層の人たちが利用してくれている。しかし唯一働き盛りのお父さんたちが手薄となっている。来年5周年を迎えるにあたって、より多くの人たちの施設となるには・・・・お父さんたちも巻き込んで考えられるよう次の手を考えているところである。 |