「あしたのまち・くらしづくり2009」掲載 |
あしたのまち・くらしづくり活動賞 内閣官房長官賞 |
「ふれあい」「生きがい」「支えあい」テーマに元気に暮らせるまちづくり |
茨城県ひたちなか市 NPO法人くらし協同館なかよし |
活動の動機と背景 昭和40年代の後半に造成された一戸建て住宅団地のほぼ中央にあったスーパーや金融機関が相次いで撤退して行き、高齢化が進む団地周辺の生活は一変した。@市内全域で見れば郊外型大型ショッピングセンターがひしめく一方、遠くまで買い物に行けない高齢者や障害のある方が毎日の食事の支度にも困るようになった。A近所の人と逢う場もなくなり淋しさや孤独感を訴える人が増えた。B高齢になって、ここに住み続けることへの不安や心配をもつ人が増えた。最後の砦であった生協の店舗閉店を機に地域住民と生協との「検討委員会」を立ち上げ、住民の意向調査を2回実施した結果、i食品が買える場 A交流の場 B趣味活動の場 C各種講演や講習会の出来る場 v高齢者が生きがいや元気が持てる行事等の場が要望され、住民の声を生かし「食とふれあい・生きがい・支え合いをテーマに「住みなれたところで元気にすごせるまちづくり」をめざし、生協からは地域貢献の観点から店舗改装・敷地建物の貸与等の支援を受け、地域住民主体のNPOを設立して活動を開始した。(事業開始 平成17年11月) 平成20年度の事業成果 (1)高齢者や障害者の健康維持と介護予防に関する事業 本年度は惣菜チームの充実を図り、品数の増と料理法の対面アドバイスなど、高齢の利用者からは大変喜ばれている。 食事と喫茶のサロンは、日替わり定食メニューの品数を増やし、ひとり暮らしの方・家族・グループなど多くの利用者で賑わっている。 高齢者でひとり暮らしの方やリハビリ中の方には、会員メンバーが送迎見守りや相談・話し相手となり感謝され、信頼関係が生まれてきている。 活動参加しているボランティア会員にあっては、歳を重ねるに従い家族や自身の病気なども増えつつあり、チーム毎の会議を毎月定例化し、活動ローテーションや業務のマニュアル化に取り組み、お互いに支え合い、生きがいのある活動の場にしている。 シルバーリハビリ体操は週3回、参加者も増加・定着してきており、効果が表れてきている。保健士による月2回の健康相談や月1回の健康講座の開催など、楽しみながら介護予防の成果を参加者自身が実感しつつある。 創立3周年を機にリハビリ医療の第一人者「大田仁史先生」を迎えて記念講演会を開き、会場いっぱいの人が参加した。 (2)高齢者や障害者と市民の交流・助け合い・生きがいづくりに関する事業 教え合い学び合いの趣味講座も22講座となり、楽しく和やかに活動が広がり、住まいの近くで参加できると好評で人数も増加している。 市の高齢者サロン助成事業で「健康マージャン」の講座を開講し、今後は趣味活動の一環として継続していくことになった。 お楽しみ行事・季節行事・まつり・講習会など随時に行事を実施し全世代が交流でき楽しめる場づくりに努めている。 創立3周年記念行事としてハーモニカの第一人者・間中勘先生を迎えて「新春コンサート」を開き、会場満員の盛況であった。 子育てサポート活動は、子育て交流会「おててつないで」を第2・4木曜日の月2回に定例化し、読み聴かせ・紙芝居・手遊び・工作・手作りおやつなど、毎回盛況に行なっている。子育て支援活動研修会などに参加してスタッフの資質向上にも努めている。 任意の時を「ゆっくりコーナー」で過ごしたり食事をしたりの利用が多く、若い母親の行事への参加や子育て中の母親グループの定例的な活動の場となり、保育とセットしての利用が増えてきている。 レンタルボックスは、手作り品等の発表展示の場、見て楽しみ買って楽しむ場となり多くの利用がある。 福祉製品販売コーナーは、5施設作業所からの常設展示を実施して、市民との交流と障害をもつことへの理解の場となっている。 生活サポート活動は、家事支援・送迎介助・食事の配達・買物支援や葉書宛名書など、利用者からは感謝されている。 (3)地域産業の支援と地産地消の活動、安全な食を守る活動に関する事業 委託出店参加の生産者・事業者の協力により、地場産の野菜や特産品・地元の製造加工品等の紹介や普及活動は順調に推移している。 市民交流市は隔週に実施し、市民と生産者・事業者との直接交流の場・楽しみながら地産地消の普及活動の場として定着してきている。 農業体験は田植え・稲刈り・芋掘りなど、親子での参加が多く好評のうちに体験交流・食育活動の場となっている。 日替わり伝統食の提供実施、季節行事食づくりなど、子どもから大人まで広く伝統食の良さを伝えている。 (4)総括 住民のニーズをもとにした多彩な活動を展開し、高齢化した住民が気軽に集い交流できる場として地域生活の拠点となってきている。 創立3周年を迎えた今年度は、各種フォーラムでの事例発表の機会が多く、経済産業省の「ソーシャルビジネス55選」にも選ばれ、関東経済産業局や県社会福祉協議会の先進事例集などにも「なかよし」の活動が紹介された。 そのほかに今年度は、環境問題に積極的に取り組み、「レジ袋の削減を推進するひたちなか市民ネットワーク」・「ひたちなか市」と削減協定を締結した。 また、市・廃棄物対策課のすすめる「廃食用油のバイオディーゼル燃料化」に協力して本郷台・東中根など周辺地域の「廃食用油回収ステーション」として指定を受け、回収の実績を上げている。 みんなが生きがいをもって元気に暮らせるまちづくり、地域みんなのたまり場となるよう、NPO事業を住民ボランティア活動として行なっている。 平成20年度の活動概要 特定非営利活動に係る事業として年間を通して実施した内容
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