「あしたのまち・くらしづくり2010」掲載 |
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞 |
地域でつくるみなみ号で地域の交流を |
茨城県日立市 坂下地区みなみ号運営委員会 |
経緯及び効果 平成14年2月の改正道路運送法の施行を受け、既存の公共交通は公共交通事業者の判断により容易に廃止・縮小が可能になり、地域住民に大きな影響を及ぼすことが懸念されていた。 このような中、公共交通不存在地区となった坂下地区では「坂下地区における公共交通確保」について危機感を抱き、平成15年度及び16年度に日立市(行政)へ陳情を行なった。 それを受け日立市(行政)は、平成17年度及び18年度の2年度にわたり、日立市(行政)が主体となって「日立市公共交通」導入の可能性及び乗合タクシーの有効性の検討を目的に、乗合タクシー「みなみ号」の試行運転を行なった。 試行運転を行なう中で、坂下地区における地域公共交通の導入を目的に「坂下地区みなみ号運営委員会」を発足し、平成19年5月7日から、当運営委員会が事業主体となって、地域の運行に対する「責任と費用の分担」を前提とする「日立市地域公共交通」という新たな仕組みにより、日立市(行政)の支援を受けながら乗合タクシー「みなみ号」を運行している。 乗合タクシー「みなみ号」の運行を開始し、高齢者や運転免許を持たない人々の医療機関への通院やショッピングセンターへの買い物など、地域住民の生活に欠かせない移動手段が確保された。 地域では、地域公共交通は「地域の財産」であるという意識が高まるとともに、地域の問題を住民主体で解決する雰囲気づくりが図られた。 高齢者や運転免許を持たない人々の外出の機会の拡大だけではなく、高齢者の交流のきっかけの場になっている。 運行概要 (1)運行経路=日立市久慈川日立南交流センターを起終点とし、JR大甕駅までの片道20㎞(定時定路線) (2)停留所=31カ所 (3)運行回数=1日往復4便 (4)運賃=片道1乗車当たり一律200円(1歳未満児は0円) (5)運行車両=特定大型車(乗車定員10名で乗務員を含む) (6)その他 ア 乗車運賃のほか、運行する地区すべての世帯が年額2000円を負担し、運行経費の一部を充てている。 イ 乗合タクシーの車内、車体及び世帯に配布する時刻表に掲載する広告料収入を運行費用に充てている。 (7)実績
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