「あしたのまち・くらしづくり2010」掲載 |
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞 |
身近な地域活動 |
岐阜県各務原市 各務原市生活学校 |
各務原市生活学校は昭和45年開校して以来、生活者としての立場から様々な問題点について調査、学習を行ない、成果を活かし実践活動を続け40年になります。 現在は「美しく暮らしやすい都市づくり」をテーマとして、主に環境の問題に視点を置き活動を展開しています。 環境学習 未来へ豊かな環境を残していきたい、これからを担う子どもたちに幼い頃から環境について意識を持ってもらいたいと環境学習を行なっています。 毎年、小学校3学年総合学習の授業参観に環境学習の講師として出向き、「廃油石けんづくり」を通して、河川を汚さない、資源を大切にすることなどを子どもたちに伝えています。子どもたちは3年生になると「廃油石けん」を作ることができると、楽しみにしていてくれます。私たちメンバーも同じ気持ちで向かいます。子どもたちが各家庭から持ってきたゴミとして捨ててしまう使い古した食用油を使い、石けんに変わっていくことを体験してもらい、ゴミが資源になることを実感し、環境の問題について考える機会になればと思っています。また、石けんづくりに使う道具として、ペットボトルで計量容器を作ったり、流し型を豆腐パックやプリンカップなどを利用することでリサイクルについても意識の向上につながればと思っています。子どもと生活学校メンバーでグループとなることで、作り方を教えるだけでなく色々な会話をすることによって素直な気持ちでふれあうことができます。参観に来た保護者にも環境の問題についての意識向上を図っています。 また、生活学校は市民講師として市の出前講座メニューに登録しています。中学校PTA役員からの依頼があり、ゴキブリだんごづくり講習に出向き、環境衛生について広めていることやリサイクル、他の環境問題にも触れ活動について働きかけました。若いお母さんたちは関心を示してくれ、地域の活動に取り入れたいと言っていました。他の小学校からも依頼があり、生活学校が実践していることの講話、身の回りできるリサイクル・エコについて伝えました。子どもたちの活発な質問、意見に頼もしさを感じ、環境学習を行なっている意義を感じます。 行政との連携 10数年前より、マイバッグを手作りして市の関係課や他団体に配布したりしていました。当時はなかなか理解してもらえず寂しい思いをしたこともありましたが、市が環境作りに取り組む「環境行動都市」を目指し様々な施策を展開するなか、これまでの生活学校の活動が認められ、市環境部と協働し「CO2削減マイバッグキャンペーン」を行ないました。職員と生活学校メンバーが市内大中規模スーパー店舗(14店舗)前で、一般市民を対象にマイバッグ使用についての調査活動、啓発活動を行ないました。調査の結果から90%以上の方が賛同されていることが判り、各務原市は平成20年4月1日より周辺の市町ではいち早くレジ袋有料化がスタートしました。スムーズな開始となり啓発活動の成果を感じました。現在のマイバッグ使用率は96%となっています。 また、3回開催された「環境行動都市市民推進大会」において、環境への取り組みを紹介しながら、まず、生活学校のメンバーの私たちから見直していこうと環境宣言をしたり、活動の発表をしたりし多くの市民に働きかけました。
成果これからの活動 子どもたちの感想から、廃油石けんがちゃんと作れてよかった・家でまた作りたい・お母さんに話したら笑顔で聞いてくれた・アルミ缶を集めたり新聞紙のリサイクルもやってます・やさしく教えてくれてありがとう・たのしかったなど、子どもたちの本当に素直な気持ちが感じられます。この素直な気持ちで環境問題も理解してくれるのだと思います。また、子どもから親へ 親から地域へと広がっていくことを願っています。 子どもの環境学習は意識向上の機会になっていると思っています。それは長年続けているなかで、当初よりも子どもの環境への意識の高まりを感じるからです。成果の見えにくい活動ですが、地道に続けていくことの大切さを再認識しています。また、市のイベントに参加していくことで行政と連携し、市民の中心となり幅広く、地域への啓発活動が進められます。市民の方から活動に対して理解、激励を頂いたり、活動に興味を持ったから協力したいとメンバーになって頂きました。 これからも各務原市生活学校は、社会環境が目まぐるしく変化するなかで「美しく暮らしやすい都市づくり」を目指し、地域社会、行政と連携を取り合いながら、身近な地域活動を進めていきたいと思っています。 |