「あしたのまち・くらしづくり2015」掲載 |
あしたのまち・くらしづくり活動賞 振興奨励賞 |
地域企業と連携した子育てと仕事を両立できる安心安全な街づくり |
三重県津市 特定非営利活動法人どんぐりの会 |
①飛び出し注意喚起看板の設置、維持管理事業 現在、飛び出し注意喚起看板(以下、看板という)の多くは、各小学校のPTAの交通安全父母が購入しています。しかしながら、その予算は十分とはいえず、満足に購入できていないのが現状です。さらに、看板を購入・設置したとしても、交通安全父母の会の役員が1年と短いため、維持管理の引継ぎが十分にできていません。そのため、数年後には劣化・破損してしまい、写真のように危険な状態で放置されていることがしばしば見られます。 看板に資金提供してもらえる企業を募り、その企業の名前を看板の下部に入れて、各小学校に寄贈し、道路管理者へ設置の許可を得てから、通学路に設置し、看板の維持管理(1か月に1回以上の点検)をして、この問題を解決していきます。 【成果】 津市内51校中17校へ147体の看板を提供 協力企業は61社 (2015年9月末日現在) ②広域対応型学童保育「どんぐりの家」事業(学童保育施設の運営) *学童保育とは・・・働いている親が、小学生を預ける施設のことで、働く親の子どもたちは幼児期には保育園を利用し、小学校1年生から学童保育を利用します。 津市内の保育園数58か所 津市内小学校数51校 津市内の学童保育数39か所 全国的に学童保育所の数が少ないといわれている中、特に津市の学童保育所の数が少なく、上記の数字からみても、学童保育所に対する児童の数が飽和状態にあることが分かります。また、津市の15歳未満の人口は3万7206人、津市の子育て世帯、約3万世帯、共働き率は約57.82%です。この数字から津市の約1万7300世帯が共働き世帯であり、少なくとも1万7346人の子どもたちが保育園や学童保育所を必要としています。保育園と学童保育所を合わせて合計97施設であり、1施設につき平均179人もの子どもを受け入れなければなりません。当然、これは受け入れ不可能な数字と言えます。そして何より、津市の学童保育事情は条件が悪く、市内9割の学童保育所で、預かり時間が17時迄になっています。また保護者会が学童保育の運営をしているため、仕事・家事に加え学童保育の活動もやらなくてはならないのです。これが「小1の壁」と言われる問題です。また、企業側からこの問題を見ると、優秀で経験豊富な人材が子育てを理由に退職する、看護師・介護員などの専門職やサービス業などの土日祝が勤務になる職種は募集しても人が集まらない、という問題も有しています。 平日の放課後保育はもちろん、土日祝、夜間も預かる学童保育サービスを提供し、現在の問題を解決します。利用できる学校区を限定せず、放課後は利用希望者の学校までお迎えに行き、保護者が仕事を終えて迎えに来てくれる時間まで預かります。また、土日祝、長期休み中、夜間の利用は、保護者の方に送り迎えをしていただければ、どの地域の方でも利用可能とします。 【成果】 ・平日放課後、土日祝、夜間も預けることができる、学校区を限定しない学童保育の実施 ・成果・・・看護師、介護士やサービス業に従事している親が、働き続けられている。現在30名利用 企業が賛助会員、看板の寄贈をして、どんぐりの会へ協力をすると・・ ①企業は社会貢献をしながら、自社のイメージ向上ができる。 ②子どもたちは安心、安全に通学ができる。 ③学校及びPTAは看板の設置維持管理から解放される。 ④どんぐりの会は、その資金の一部をどんぐりの家のサービスに反映します。 ⑤働く親は、子育てしながら安心して働くことができる。 ⑥働き続けられることが、企業の雇用安定に繋がる。 ⑦看板協力企業の従業員の方がどんぐりの家の学童保育を利用すると利用料の割引が受けられるので福利厚生にもなる。 つまり企業は、たくさんの経費をかけて託児所を開設する必要がない。 たくさんの企業が、どんぐりの会を支えることで、自社で託児所をもっているのと同じ効果を発揮する仕組みで、さらに働きやすい環境ができ、企業が安定し、個々の収入が上がり、消費活動も増える。また、子育てしながら働きやすい環境が、子どもを授かろうという前向きな気持ちにさせ、人口増加、少子化対策にもなり、経済発展が期待できる。 *数字での効果及び期待値は現在図れません。 |