「ふるさとづくり'01」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり賞 振興奨励賞 |
自然に、子育てにやさしい環境づくり |
島根県平田市 ひやま女性会議 |
平成7年7月島根県教育委員会主催の「環境学習交流会」に参加した平田市檜山小学校の児童のパワーがパイプ役となり、小学校と「ひやま女性会議」(生活会議)が中心となって、この活動に取り組もうと合意した。 地域住民の理解と協力が得られる活動を展開するためには、組織づくりが重要である。そのために、まず、小学校ではこどもエコクラブを結成し、生活会議、JA女性部、食生活改善推進協議会等10団体を中心に、地域の全女性を対象にしたネットワーク化を行った。そして、従来活動してきた生活排水対策、リサイクル運動を基点に、保健所や市役所等への訪問、関係機関の問い合わせなど、自治会、公民館の支援を受けながら活動を推進している。 それぞれの組織の活動 それぞれの組織の主旨を活かし、次のような活動を展開している。 (1)小学校では、ふるさとを知るため、川の生き物の生態観察等の取り組み。 (2)視野・識見を広めるため、生活会議を企画・運営主体とした、各種研修会への参加。 (3)JA女性部はエコマーク商品の斡旋・推奨。 (4)体にやさしい食生活を提唱した、食生活改善協議会が開催する料理教室・講演会等。 (5)子育てサークルでは、「幼児期の躾が人生の基本なり」を念頭に、自然に親しみ大切にする心を育むための活動の展開。 このほか、地区全体では「自分にできることから、我が家でできることから」をスローガンにクリーン作戦、川の汚染防止、リサイクル活動等の活動を続けている。 活動を発表する場 これらの活動の総まとめを発表する場として、『親子環境フェスティバル』を平成8年から毎年開催している。 (1)第1回(平成8年2月) 『守ろう人・地球みんなの手で』をテーマに、こどもエコクラブによる創作寸劇を行った。また『地球の秘密』で国連グローバル賞を受賞した、今は亡き坪田愛華ちゃんのお母さんからお話を聞き、幼児期の躾の大切さを改めて感じた。この内容を小冊子にまとめ全戸配布し地区民の感動を得ている。 (2)第2回(平成9年3月) 『やさしく・つよく・さわやかに』をテーマに、「神戸川太鼓やまびこ団」のセレモニーで開会、太鼓を通して温かい出会いと交流を行った。そして、エコクラブの環境紙芝居で様々なリサイクル法を紹介、併せて子どもたちの創作作品も展示し、資源を大切にと呼びかけた。 (3)第3回(平成10年2月) 『人にやさしい・地球にやさしい』をテーマに開催し、エコクラブによる環境劇「私たちの地球」を発表。森と人間の戦いを演じ、森の木、森の生き物を大切にする共生社会のマナーをアピールした。 (4)第4回(平成11年2月) テーマは前年どおりで、自然を守り、ふるさとを大切にし、住みたい檜山にとの願望をエコクラブの寸劇「檜山大好き」に託し、ゴミをテーマに発表、地域住民への協力を求めた。 (5)第5回(平成12年1月) 『女性の地位向上とふるさとを』・『水と緑と地球に思いやりを!』をテーマに、講演・ディスカッションを行い、農山村を守るための集団・共同化の必要性と地域の連携・協力体制づくりの必要性を問うた。またエコクラブによる「人と環境―調べ学習から学んだこと―」をテーマとした、人間が生きるために必要不可欠な水・空気・生物との共生共存との関わりについての活動発表があり、自然への思いやりの大切さをアピールし共感を呼んでいる。 このように、エコクラブを中心に全児童が一緒になってふるさと散策、調査等をしながら課題を見つけ、寸劇・活動発表にアレンジさせ、地域住民によりよい環境づくりへのインパクトを与えてきている。こうした子どもたちからの純真なメッセージが伝わり、徐々に地域住民の関心も高まり、実践へとつながりつつあることを実感している。 人の意識が大きく変動し、協調性を失いつつある世情にあって、豊かな感性や共存社会に生きるマナーを身につけることが先決課題と考え、活動を推進・展開していきたい。 また、『思いやりの絆で結ぶ共生社会』を地域づくりの根幹に置き、人権・同和教育の研修も併せながら、人に自然にやさしい地域づくりを目指し、連携プレーで活動の輪がさらに大きく広がることを願っている。 |