「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

エコライフは下北から
青森県むつ市 北のパイオニア
 本州最北端に位置する下北半島。豊かで多様な生態系を残すために、「北のパイオニア」(代表・高橋一さん、メンバー数・27人)は市民がエコライフを実践することが必要と、イベントなどを通じて訴え掛けている。


まだ間に合う 自然との共生を図ろう

 下北半島はその地形学的形状が幸いし、半島ならではの生態系の中で独特の動植物が息づいてきた。それらを育んできたのはすばらしい景観と豊かな資源を秘めたふるさとの山河である。しかし、戦後50年、地域住民の変化や産業形態の変遷とともに、少しずつふるさとは変化してきた。
 同会ではむつ市近郊の湿原・水田・森林を中心とした自然景観の変遷や、逆境に耐えながらも生命の灯を絶やさないでいる動植物の生きざまをスライドやビデオに記録してきた。その活動の中で思い知らされたのは、自分たちがいかに足元を知らなかったか、ということであった。すなわち、市民の生活廃棄物や産業廃棄物などが自然環境に与える影響は非常に大きいということである。まだ間に合う今だからこそ、自然環境の変わりゆく実態を広く一般市民に知らしめ、自然との共生が可能な生活の知恵を考え実行に移すことが急がれると、同会はイベントを開いて訴え掛けることにした。
 平成11年に「残したい下北の自然」と題して市民フォーラムを開催。同会が3年にわたって記録してきたビデオやスライドを上映した。また、フォーラムに参加した市民から、他にも記録しておくべき貴重な動植物の情報も得ることができた。
 平成12年には「エコライフのアイデアコンテスト」を開催。一般市民がそれぞれの家庭ですぐにでも実行できる、簡単なエコライフのアイデアを出し合った。小学生からおばあちゃんにいたるまで、世代を越えた応募があり、とくに女性からの応募が多かった。
 同会では今後も講演会やシンポジウムなどを開催し、土木・建設業者等を巻き込んで、生態系の保全を考慮した自然にやさしいまちづくりや観光開発、産業おこしにまで活動を発展させたいとしている。