「ふるさとづくり2001」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
人に易しく、人が優しいまちづくり |
静岡県大仁町 バリアフリー伊豆研究会 |
「バリアフリー伊豆研究会」(代表・戸谷知恵子さん、メンバー数・80人、サポーター数・120人)は、“人に易しく、人が優しいまちづくり”をテーマに、県の新観光システムの中軸となるバリアフリー構築を担当したり、伊豆の観光イメージをバリアフリーの面から大きく変える活動を展開している。 バリアフリー伊豆に! チェンジ大作戦 同会は、1996年に発足。県の「バリアフリーシステムの構築」を担当した実績を買われ、伊豆チェンジ大作戦に関わることになった。来年の「伊豆新世紀創造祭」(別称「チェンジ伊豆2000」)は、伊豆22市町村で通年開催される観光の一大イベントで、そこに新しい目玉となるバリアフリーシステムの導入を、1998〜1999年の準備年から2000年の実行年にかけて、同会が担当するよう県から委託されたのである。 伊豆がバリアフリーの地域として大きく変化することを目標に、ソフトとハードの2面から情報づくりと情報発信のプロジェクトを始めた。ソフト面では、情報やサービス、文化など社会意識上のバリアフリーやホスピタリティの醸成から、住む人や訪れる人に優しさを感じるネットワーク形成と人づくりを軸とし、ハード面は、建築や物質、生産、技術などに関する社会環境上のバリアフリーやユニバーサルデザインなど、住む人にとってより暮らしやすい施設整備等を軸とする、というもの。 こうして各市町村で、啓発講演会やシンポジウム、研修会を精力的に開催してきた。また、伊豆チェンジ大作戦展開に向けて、「ハートフルファイル」と題する本を作成した。知らない土地や慣れない場所で、障害者に必要な情報がピクトを見れば一目瞭然に分かることから、関係方面で大好評となっている。 ハートフルファイルは、実践にも生かされている。土肥町には、町も肩入れし人気の高い演劇「菜の花舞台」がある。このイベントにバリアフリーの要素を導入してもらおうという取り組みでは、まちの運営スタッフと協議を重ね、遂に車椅子でも入場可能にこぎつけた。公演では、広く取られた車椅子・高齢者エリアはいっぱいとなり、主役の俳優・橋爪功さんが終了後「バリアフリーってこういうことなんですね」と喜んでくれた。 |