「ふるさとづくり2001」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

町は自分たちで! みんなの元気を刺激して
山口県下関市 発憤の会
 「地域の将来は自分たちで」「発憤の会はみんなの元気を刺激します」と、まちの元気づくり仕掛け人になっているのが「発憤の会」(代表・山縣邦光さん、メンバー数・30人)だ。Uターン2人の積極的な故郷への思いと、賛同する地元の有志が意気投合して、衰退を続ける町の活性化に乗り出した。
 町のスポーツ大会で、地域を離れて20余年のUターン2人と、地元にいた人たちが意気投合。かつて繁栄を極めたまちの再生を語り合い、平成10年10月、現在の発憤の会の前身となる「唐戸発憤の会」を10人余りで発足させた。


徹底して、地域の魅力・地域の資源を探し出す

 活動は、唐戸の絵葉書作りや唐戸のタウンウォッチングで、地域の魅力や資源の再発見に努めることから始めた。明るい社会づくりを地域の人々と話し合い、商店街の「唐戸朝市・楽市」で特産品の販売や、唐戸おもしろマップづくりなどを行う。週末の商店街の公園で開いた「ふれあい屋台村」も大好評だった。
 「おもしろマップづくり」は、商店街を取材して店の自慢を集め、模造紙に店の写真と自慢を書き込んだもの。街の様子がよく分かるため、下関商工会議所が、「唐戸界隈おもしろお店マップ」(表面)、「唐戸周辺お散歩マップ」(裏面)として印刷した2000部は、たちまち品切れになるほどの人気だった。
 街区公園のリニューアルで、市の公園緑地化や地元住民とワークショップを開き、使い勝手のいい公園の再整備を実現した。平成11年末からは、提案書「カラトづくりのすすめ」作成で地元住民とワークショップを重ね、将来の唐戸地区の夢を語り合い、「夢マップ」や「夢模型」にして、朝市などでPRした。
 今年5月には、「関門ガイドステーション」という私設観光案内所を開設した。下関と対岸の門司港は船で5分。連携していくことで、観光資源などの地域の魅力は倍増する。そしてこれは、枠にはまらない民間の立場だからできることで、同ステーション開設以来、予想以上に多くの観光客の訪問を受けている。
 唐戸発憤の会は、活動の広がりを受け、名称から唐戸を取って「発憤の会」とし、メンバーも30人に増えている。それに加えて、平成11年6月、NPO法人の認証も受けている。