「ふるさとづくり2001」掲載
<企業の部>ふるさとづくり振興奨励賞

町街トラスト―天神天満計画
大阪府大阪市 天神橋3丁目商店街振興組合(町街トラスト)
 4年前の秋、天満街も間違いなくマイナス成長現象を起こしていた。商店街の将来を憂い、歴史や文化を活かした「ほんまもんの街」をどう守り発展させていくかを考え「天神橋3丁目商店街振興組合(町街トラスト)」(代表・土居年樹さん、メンバー数・300人)は、有志が集まり町街懇談会を開催した。
 これを契機に「町街(まちがいい)トラスト天神天満計画」の設立に発展した。それから、サポーター会員の募集・天満名物=茅の輪とレイクパピルスを発案・作成。商店街を観光地化に向けたイベント等で、街の活性化を図っている。


街おこしに不可欠な有識者の賛同と地元商人の熱意

 このトラスト運動は、市内在住の大学教授・都市研究家・落語家・イラストレーター・雑誌編集長等多士済々な有識者の賛同と街商人の熱意で立ち上げた。新しい試みの「サポーター」制度は、1口1000円以上の寄付をいただき「サポーターカード」を贈呈、天満街のイベント情報発信等の支援に当たる。
 それから運動のアピールに、スポンサーを募り各所に【町街トラスト『天神・天満計画』3つの願い1.街の歴史、文化を活かし、住む人、来る人がうれしくなるよう心掛けまひょ2.ほっとする温もりのある街に育てていきまひょ3.心地よい大阪弁が聞ける街にしていきまひょ】を掲載した「高札」を設置した。
 次は、天満名物のみやげに「ミニ茅の輪」の制作である。これは、本来水の浄化作用をする琵琶湖のヨシが、刈り取られずに腐食し、水を汚濁し大阪の大川にも流れる。天満宮神事の「茅の輪くぐり」が、幸せを呼ぶことに着想、ミニ茅の輪にヨシを活用、近江八幡の身障者作業所に制作を依頼。琵琶湖の水質浄化・福祉協力を達成した。この輪は、願い事、嫌な事との縁切り、両方のまじないで好評。天満宮に奉納もできる。
 また、ヨシと牛乳パック混入の「ヨシ紙」を開発。「レイクパピルス」と名付け名刺づくりに活用、順調に伸びている。
 そして、大阪観光に一役買おうと始めたのが「天神橋筋ぶらり歩き」である。天満の歴史・スタンプカード・アンケート用紙を渡し、完歩者に「満歩状」を贈呈等。数々のイベントで街は賑わいを見せてきた。NPO法人化に向け準備中だ。