「ふるさとづくり'95」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

鹿島ガタリンピックに夢をはせる
佐賀県鹿島市 フォーラム鹿島
 「どぎゃんすっとな、おいどんが鹿島ば」(どうしようか、我々の鹿島を)をキャッチフレーズに、若者たちが職業や団体の枠を超えて集い、ふるさと鹿島を語り合う「フォーラム鹿島」(代表・福井 正さん)を、昭和59年4月に発足させた。鹿島市は有明海沿岸に位置する35000人の田園都市。この町を誇りにし、発展を願う若者たちが寄り合って、地域の特徴を生かしたガタリンピックなどのイベントを起こし、次々と成功させている。


回を追うごとに盛況を博し

 フォーラム鹿島に集うのは、青年会議所や商工会青年部、農協青年部、市若手職員に農漁業や商業従事者、サラリーマンなど合わせて1000人からのメンバーだ。会の基本的な考え方としては、“地区間、産業間、官と民間の枠を取り払う”というもの。
 また、“郷土愛”と“人間育成”“活力・持続”を3大テーマに設定している。
 中心的な活動となっているのが、干潟上のオリンピックの意から命名した「ガタリンピック」というユニークなイベントだ。昭和60年5月、市海浜スポーツ公園で第1回が開かれてより、今年で10回と回を重ねている。市民の絶大な支持を得て、入場者数をみても第1回5000人、第2回20000人、第3回25000人、第4回30000人と回を追うごとに増え、会場が手狭になっている。


将来は干潟オリンピックをめざし

 今後の課題として、@常設の観客席が欲しい、A国道207号線がパンク状態で道路の拡張と新設が必要、B潟の干満の関係で開催日が固定出来ず、観光業者とタイアップしにくい、有田陶器市との提携もしたい、C会場の設備が不十分で、トイレの増設などが必要、というもの。また、今後のあり方としては、@むらおこしの手段から、国内・国外の有名な祭りとしての「ガタリンピック」に脱皮を目指す、A特産品を大々的に売り込む地場産業振興イベントにしていく、B大型プロジェクト「干潟公園」誘致実現、C国際イベントとして民際交流の拡大に資する、というものである。
 ガタスキーは、西独やオランダ、タイなどでスポーツとしての競技が行われているが、近い将来、各国の選手を招き、名実ともに干潟オリンピックにしていくのも大きな夢だ。ガタリンピックの国際交流としては、すでに第2回大会より留学生ホームステイが行われてきた。参加したのは、中国や韓国など12カ国90人、第3回は18カ国101人、第4回18カ国153人と年々拡大し、韓国とは住民同士のガタスキー友好交流も生まれている。