「ふるさとづくり'95」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
市民と行政の“協働”によるまちづくり |
長崎県長崎市 長崎伝習所 |
住民の自由な発想と人材ネットワークの形成を目的に、毎年市民から研究テーマやテーマ毎の塾生を募集。自由な研究活動によって生まれる企画を、まちづくりの施策に反映させようとする「塾」の活動、行政が捉えた都市課題を、住民・学識経験者・企業・行政と共に行う「専門的な調査研究」、地域に根ざした「まちづくりイベント」と3つの事業を柱にし、市民と行政の“協働”によるまちづくりを実践しているのが、長崎伝習所(総長・本島等さん)である。 長崎伝習所の経緯 長崎市は、昭和61年度から「ハイテク塾長崎伝習所」として商工課で実施していた事業を、平成3年5月から「自ら考え自ら行う地域づくり」事業に位置づけ3本柱に拡大し長崎伝習所を設立した。昭和61年度から平成5年度までの塾数は延べ65、卒業生の実数は1038人に及んでいる。平成6年度は、12塾、塾生398人でスタートしている。 「塾」事業の成果 @行政施策への反映 坂本竜馬ゆかりの亀山社中など、歴史的遺産を塾生が掘り起こし、住民参加で生活道に整備する「歴史探訪路整備事業」をはじめ、公衆トイレの美化、児童公園設計プラン、都市景観、斜面市街地居住環境整備事業など、塾の研究成果がまちづくりに現れている。 A民間活動の活性化 研究成果と人的ネットワークで、新たな会社設立や商店街活性化事業に結びついた事例もある。また、「女人伝ウォークラリー」など塾活動のイベントが地元放送局主催で定着し、継続されているなど、民間活動の活性化にも寄与している。 B活発な市民活動 「塾」活動で培ったノウハウを、継続し専門的に研究したものを実践する市民グループが現れている。また、市民のまちづくりへの参加意識が着実に高まっている。 C行政と市民のネットワーク 「塾」活動での市民と行政マンの交流は、お互いの信頼関係を築き、まちづくりのパートナーシップを育んでいる。 今後の取り組みでは、「長崎伝習所館」の設置を構想し、自主的な管理運営の組織化を図るなど、まちづくりの拠点となることをめざしている。 |