「ふるさとづくり'95」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
歴史と文化に培われたまちづくり |
大分県竹田市 岡の里事業実行委員会 |
岡の里事業実行委員会(代表・志賀克洋さん、メンバー60人)では「日本の変革を可能ならしめるのは地方しかない」を基本的な姿勢で活動を進めている。活動は、環境福祉部や産業開発事業部などの5部に分かれているが、月1回、早朝6時に開く企画運営会議で調整されている。具体的には、福祉リサイクルセンター「夢工場」の構想や水環境の調査、どじょうやサフランの染と織の特産品開発、「竹田童謡祭」や音楽祭開催など歴史と文化に培われたまちづくりに取り組んでいる。 官民からなるメンバーが5つの事業部門を担当 同実行委員会は、ふるさと創生事業を機に、地域活動グループや団体、行政からの参加で1989年に生まれた。部活動のなかの情報センターは、実践活動などを掲載し、会報の役割を持つ「季刊誌からんころん」を発行。また、2年かけて、旧豊後岡藩領内の寺院20ヵ寺の創建の由来や伝承など写真をふんだんに使い「竹田の寺」を発行している。 環境福祉事業部は、高齢化社会へ対応するために、資源保護と環境保全を兼ね、福祉リサイクルセンター「夢工場」設立の調査研究を進めている。これは、健康と賑わい・リサイクル工房・障害者雇用の場が基本構想である。具体的には、情報収集や啓発活動を行い、古紙や空き缶のリサイクル活動にも取り組んでいる。また、「水環境事業」は、未来と下流域に対する責任として、関係機関や大学の協力をえて、森や河川の保護活動を進めている。 特産品「どじょう」の人工飼育 産業開発事業部は、交流による起業と地域開発を目的としている。名水と休耕田を利用した「どじょう」の飼育は、3年目を迎え、定着しそうである。観光に寄与する食の素材として出荷。また、竹田はサフランの花芯の産地。女性7人が「織姫座」をつくり、サフランの花で染めた糸を使い、織の復元に挑戦する「岡乃織」が生まれつつある。 また、交流事業については、関東や福岡での県人会にふるさとへのバックアップを要請、地元では異なった団体とのネットワークづくりを働きかけている。 文化開発事業部は、文化の薫るまちづくりを展開している。音楽のまちづくりでは、音楽関連団体を結び、竹田童謡祭、ジャズコンサート、スクールコンサートなどを新たに開催。高齢者や子供を対象に甲冑造り講座も開いている。この講座の目的は、地域や家の歴史を知り、3世代のつながりを大事にすることにある。 |