「ふるさとづくり'96」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

住民の手でふるさと公園「なごみ園」建設
広島県豊栄町 乃美小学校区ふるさと活性化推進協議会
 広島県豊栄町は、広島県のほぼ中央に位置し、人口約5、000人。乃美小学校区ふるさと活牲化推進協議会(会長・藤原豊子さん、会員1、500人)は校区内全戸会員である。社会連帯や地域の活性化を目指し様々な活動を展開すると共に、会員の手によるふるさと公園「なごみ園」を平成3年に建設した。この公園は地域の核となって、住民の絆が深まり、現在も会員の手で整備が続けられている。


住民総出で地域の活性化

 同会は、昭和63年、校区内の区長をはじめ、婦人会等の諸団体代表者が13回に亘って協議を重ね、「区民の連帯と幸せを願い、地域社会の活牲化に貢献し努力する」ことをモットーに結成された。これまで各団体がばらばらに「点」の活動をしていたものを、一つにまとまって地域総出で活動を実践していこうと出発した。
 以後、同会では総務部、文化部、保健体育部、生活環境部の4部門に別れて様々な活動を展開している。例えば総務部では広報紙「ふるさと」を発行し、地域の行事や住民の意見を紹介する。文化部は文化祭やカラオケ大会を、保健体育部は「歩こう会」を開催するなど。また、生活環境部では「花いっぱい運動」の推進といった活動である。


住民達帯の要どして公園建設

 こうした活動の中で、特記すべき全体活動が「なごみ園」の建設である。町に聳える標高757.2メートルの板鍋山は頂上からの眺めは絶景で、北は中国山地、南は瀬戸内海を隔てて四国の山々まで望む大パノラマである。この素晴らしい眺めをより多くの人に見てもらおうと、753(なごみ)メートルの位置に「なごみ園」を建設、平成4年4月開園した。
 「なごみ園」には、2層の展望台を設置、散策道をつくりベンチを配した。清澄な水を引き手洗いも整備。ふるさとを見下ろす一角には「しあわせ地蔵」が安置されている。この建設には地元住民、郷土出身者など各方面から物心両面に亘って援助や協力を得ている。さらにもっと意義深いことは、寒さ厳しい冬の日、炎天下の夏を通し一年半に亘る住民の奉仕と汗で完成を見たことである。この公園はまさに住民の記念碑とも言えるものなのである。以来、会員の手による整備は続けられ、また、登山者も数を増している。