「ふるさとづくり'96」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

垣生山遊歩道づくりに専念し5年
愛媛県新居浜市 垣生山よもだ会
 垣生地区は、新居浜市の東部に位置する周囲4キロご二方海に囲まれ、一番高い所で101.3メートルの垣生山を有し、自然に恵まれ眺望が素晴らしい地域である。昭和63年、青少年育成ふるさとづくり事業として、垣生山遊歩道建設に取り組み住民が汗を流し完成を見たのである。「垣生山よもだ会」(代表・岡部卓さん、メンバー38人)は遊歩道建設に協力した有志が、その維持管理や地域づくり活動グループとして平成2年1月に発足した。


桧丸太柱・スレート葺き垣生山最望台を手作りで完成

 総延長4.3キロ、道幅0.8〜1メートル、途中7力所に広場、道端至る所にベンチを設け、土と落葉の感触を満喫し散策できる遊歩道である。「垣生山よもだ会」は発足当初、地域の自然を生かし、ロマンを子どもたちに残すことを目的に、遊歩道関連の整備と地域づくりについてメンバーから提案された50件に及ぶ課題に取り組み活動し84%達成してきた。この遊歩道整備に参加し活動した延べ人員は、毎年1、000人を越え5年間続いている。
 この間に、
(1)遊歩道中間地点に管埋拠点小屋「よもだ山荘」20平方ノートルを建設。
(2)栗・桜・山茶花等の植樹。
(3)手づくりベンチの設置。
(4)遊歩道案内看板・道標設置。
(5)文集「遊歩道」毎年1月に2、000部発行、全家庭配布。
(6)遊歩道沿い自然岩に「芽木の間に里を見下ろす遊歩道」の句碑設置。
(7)毎年5月は山項に鯉のぼりを泳がす。
(8)垣生山展望台38平方メートル完成。
(9)鯉のぼりの格納、機械・工具等の保管場所に「出乳母山荘」を建設した。


遊び心や公民館との関わりを大切に

 一方、「厚岸草」は日本南限の生息地である新居浜市の天然記念物に措定されており、これを地域で移植、保護に努め順調に育成しており、多くの見学者が訪れている。このほか地域づくり活動では、しめ縄・凧・藁草履・竹箒・花壇づくりの指導や参加協力、栗捨いの実施、小学校や公民館に正月の門松を設置したり、七草粥の材料採取への参加協力等がある。ざらに、遊歩道が整備されるにつれて保育園・小・中学校の遠足、オリエンテーリングや野外学習の場に活用する時の協力である。周辺には、65種類の植物と53種類の野鳥が棲息しており、自然観察や保護学習には欠かせない場である。また、「少年式」を展望台で行い、桜の記念植樹も実施している。よもだ会メンバーの平均年齢は70歳「遊び心」や「公民館との関わり」を大切にし、後継者をも考え、自然と調和を図る息の永い活動を続けたいとしている。