「ふるさとづくり'97」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

夢と希望と活力ある福田を目指して
島根県赤来町 グリーンクラブ福田(GCF)
 福田地区は、人口が減少するとともに高齢化と農業収入の低迷、後継者不足などから地域の活性化が重要な課題となっていた。幸いにもここは赤名湿地植物群落があったことから、「山野草の森」を整備して環境保全活動を展開した。また、ここを訪れる人も多いところから、特産品の開発を手掛け、「ふれあい市場」を建設して特産品の販売にあたった。この他に、自治会館周辺の環境整備にも取り組んでいる。


自治会活動を側面から支援して

 福田地区は、ほ場整備がほとんど完了しているが、高齢化と農業収入の低迷、後継者不足などから地域内の活力が減退し、その対策が急務であった。
 すでに昭和63年から、ふるさと創生事業により、赤来町でも「ふるさとを学ぶ会」が結成されていた。時を同じくして町単独事業として「地域づくり助成事業」が発足し、福田自治会でも委員会を組織し、会の方針として、赤名湿地植物群落の隣接地に「山野草の森」や無人市場を整備して観光と交流による活性化を図ることが決まっていた。しかし、高齢所帯の増加や立地条件などから自治会として取り組むことは困難であり、有志が集まって平成3年グリーンクラブ福田(代表・宇山寛元さん、メンバー34人)が結成された。


豊かな自然を生かす役割を背負って

 赤名湿地植物群落は、県下でも最大のハンノ木が群生し、その林下にはミズガシワなどが自生し、四季折々に花が楽しめ、珍しい昆虫も多い。そして、ここを訪れる人も毎年増加し現在5,000人に達している。その隣接地には、湿地性植物が自生した民有林もあることから、これも含めて類似施設の調査や視察、有識者の意見を聞きながら整備している。
 ふれあい広場では、4月から11月まで毎日生鮮野菜や加工食品、花などを販売している。また、自治会館に隣接する農地を借り受け、大根とそばの栽培を全員で行い、イベントのときの食材として利用、郵パックとして販売も実施している。
 この他、PR活動としてパンフレットの作成、県内外のイベントへの参加、団体客に対する山野草の森の説明案内などサービスの向上を図っている。