「ふるさとづくり'97」掲載
<市町村の部>ふるさとづくり振興奨励賞

生涯学習でまちづくり
和歌山県 南部町
 南部町は、平成4年度に文部省生涯学習モデル市町村事業の指定を受けたのを契機に生涯学習の推進を通した町づくりを進めてきた。町内会単位の「生涯学習モデル区指定事業」や役場職員が出向いていく「あっちこっち出前講座」などを通して町民と役場職員が一緒になってまちづくりに取り組んでいる。


生涯学習モデル区指定事業

 学習機会の拡充や情報提供などいろいろと「生涯学習」を町に根付かせようと試みてきた結果、町民の認識も高まり、活動も活発になってきた。しかし、それは町全体の運動にまではなりきらなかった。
 そこで平成6年度より「生涯学習モデル区指定事業」を始めることになり、平成8年度までに5区(南部町では町内会を区という)がモデル指定を受けた。2年間の取り組みの結果、住民の中に地域に対する愛着や誇りが生まれ、自らの手で自らの地域を良くしていこうとする機運も生まれつつある。
 各モデル区の取り組みとしては、北道区での区民の親睦を図る遠足、ビーチバレー大会、地域の生活環境を考える学習会や現代的課題を考える集いなど地域人材を積極的に活用しながらの活動である。また、片町区では21世紀の片町を考える言いたい放題の会をはじめとした活動を20歳・30歳代の青年層が中心となって企画・運営をしている。そして、新町区では区民の高齢化が進む中で、介護や手助けができる人を登録し、要請に応じて紹介する「お助けマン制度」の実施。栄町区での歴史や祭りについて学習し、伝統芸能を子どもに伝えようと「栄町子ども獅子舞」の結成したなどの活動がある。


あっちこっち出前講座

 南部町には、平成7年7月から、55のメニューを揃え住民の要請に応じて役場職員が講師として出向く「あっちこっち出前講座」を実施している。住民はこの出前講座で町の環境や福祉、健康などについて学習している。
 今後も町内15全区でモデル区のような活動が展開され、その学習活動の一環として出前講座が頻繁に利用されれば、住民と役場職員がともに学びともに町づくりを考える舞台が完成する。