「ふるさとづくり'98」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
男性と女性が力を合わせみんなが主役の地域づくり |
新潟県上越市 明日の桑取を考える会 |
過疎、住民意識の低下する中で、若者と女性が中心となって明日の桑取を考える会(代表・曽我文隆さんメンバー200人)は設立された。その活動は、(1)川や地域の清掃奉仕に取り組む地域の環境を良くする活動、(2)南葉登山道の整備や桑取川沿いのネム並木づくりをする地域資源を保全し活用する活動、(3)リフレッシュビレッジ事業の推進と参加を支援する地域おこし運動など、多岐にわたる活動で成果をあげてきている。 自分たちのできることは自分たちで 上越市の西南端・中山間地の桑取地区は、豪雪地帯であり、かつては棚田での米づくりと薪炭づくりが基幹産業であった。村から市への合併と前後して、さらに過疎化が進行した。それとともに地域の連帯意識も低下し、転出者が続出していた。平成6年、これまで行政に発言する機会の少なかった女性と若者が中心となって、“自分たちの地域を変えていくのは自分たちの手で”と会を設立した。 その活動方針は、(1)誰でも1世帯から何人でも活動に参加できること、(2)地域の各種団体と提携していくこと、(3)男性と女性が力を合わせていくこと、(3)自分たちのできることから、自分たちでやっていくこと、などの基本方針を決めた。 こうして結成された会に対して、住民からの地域おこしへの期待は大きく、現在450名の住民のうち、200人以上が会員となっている。活動は、中学生以上の全員を対象とした地域住民へのアンケート調査から始まった。その結果、次のような要望が寄せられてきた。(1)地区内を通る2本の県道の早期実現と除雪、(2)温泉の掘削とこれを活用した老人の憩いの家の活用、(3)ボランティアが管理している丸山を公園として整備すること、(4)荒廃した南葉山登山道の整備、キャンプ場の設置、(5)清流桑取川に魚道を作り、イワナやアユ等の魚釣りができる川に整備する、などである。 多彩な活動を展開 このように自然を生かす活動が多いことから、市長との対話集会のときに要望を出す一方で、自分たちでできることから次のような活動計画を立てて実施に移している。具体的項目は、次の通りである。 ・地区行事への積極的参加と協力=丸山公園花見会、体育大会、納涼大会、農業祭。 ・地域の環境を良くする運動=空き缶の投げ捨て防止とリサイクル運動、川と地域のクリーン作戦。 ・地域資源の保全と活用=南葉登山と登山道の整備、ホタルと遊ぶ夕べ、民俗行事と伝承芸能の保全、桑取川沿いにネムの並木づくり、地域マップの作成。 ・地域おこし運動の推進=リフレッシュビレッジ事業の参画と堆進、先進地の視察研修、若者の交流会。 ・学習会の開催=地域づくりや教育問題。 ・文集「あゆみ」の発行。 |