「ふるさとづくり'99」掲載 |
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞 |
北限にゲンジボタルの里づくり |
青森県横浜町 よこはまホタル村 |
菜の花の作付け面積日本一を誇る青森・横浜町は、また、横浜なまこやカレイなどの海の幸、長芋や人参、馬鈴薯などの山の幸に恵まれ、とまり川遺跡などの縄文遺跡も多い。その横浜町で今度はホタルを豊かな自然環境のシンボルとして、保護増殖していこうと、平成5年5月30日に「よこはまホタル村」(代表・沖津藤松さん、メンバー5団体、120人)を開村、北限のゲンジボタルの里づくりが鋭意進められている。 ホタルを自然保護のシンボルにして 活動は、開村と同時に専門家の指導のもとで、休耕田を利用したホタルの屋外飼育場の整備や人工飼育、幼虫の放流などに着手。子供会や老人クラブと共催でホタルの住める環境づくりをテーマに、小学校の体育館で小中学校全生徒や父母らも参加して、「河川や道路の浄化運動推進共同宣言」を行った。 1周年には、童謡『ホタル来い』の記念碑を建立。また、先輩である東京都小金井市野川ほたる村と姉妹村を結んで親善交流したり、農閑期には青森市や八戸市などのゲンジボタル生息地を視察研修して、情報交換や交流会を続けている。 ホタルの保護活動が実り、8年5月には、県内でははじめての「横浜町ゲンジボタルとその生息地」として、青森県から天然記念物に指定された。こうして、各種のホタル研修会や実践活動、交流活動、イベントなどが年間を通じて盛んに開かれるようになった。 地区内外の小中学校を訪問して、ホタル村の実践活動を紹介して交流を図ったり、飛翔数や気温、水温、種類などを調べるホタル探険隊を子供会を中心に派遣している。また、ホタル村のPRを狙いにホタル大使17人を町外から委嘱し、年1回大使会議をひらく。意識啓発とPRでは、ホタルをあしらった浴衣やジャンバー、提灯、幟、天幕、手拭い、エコー葉書などを製作したのが大好評で、イベントなどで必需品になっている。 最大のイベント”ホタル・湧水まつり” 子どもから老人まで楽しめるのが「ホタル&湧水まつり」だ。3日間の日程で、ホタルに関するクイズやミニ講話、流しソーメン、湧水で入れるコーヒー、蚊帳の中で湧水を使った野点、ホタルの屋内飼育場の見学と鑑賞会、青空市場の開設、抽選会と盛りだくさんのプログラムを運営するのは若者たち全員で、老人クラブもソーメン流しなどを担当する。このイベントは今年で9回を数え、県内外からの多くの観光客で賑っている。 開村5周年となる平成10年は、活動拠点「夢人交流センターホタルの宿」建設や借用中の屋外飼育場の買い上げ資金に当てる『ホタル保護基金』の創設を目指している。 今後の活動としては、サル・カモシカなど北限の生き物の重要性をアピールする「北限サミット」をはじめ、「ほたる来い合唱コンクール」の開催や、ホタル保護条例の制定、ホタル菜っ娘の新しい特産品開発、などを予定している。 |