「ふるさとづくり'99」掲載
<集団の部>ふるさとづくり振興奨励賞

子どもの冒険遊び場づくり
神奈川県川崎市 宮前区子どもの遊び場を考える会(ポレポレ会)
 川崎市宮前区の有馬ふるさと公園は「自分の責任で自由に遊ぶところ」の約束・看板の下、冒険遊びが出来るプレーパークである。毎週水曜日には、子どもや大人が集まり焚き火をしたり、土器焼き遊びを楽しんでいる。この遊びを運営、実践しているのが、昭和62年に発足した「宮前区子どもの遊び場を考える会(ポレポレ会)」(代表・鈴木寿子さん、メンバー10人)である。さらに、7月「サマープレーパーク」、11月「ふるさと公園まつり」等の行事も定着している。


子どもや大人も楽しむ自由な遊び

 この公園では、普通の遊具とは別に「手作りのロープブランコやハンモックを雑木林の木に掛け遊べるし、自由に使える道具箱には、釘、金槌、鋸、ナイフ、カッター、ハサミ等々や大小のスコップを常備している。
 また、これまで昼食やおやつづくり、土器焼き遊びで、ゲリラ的に公共公園の一角で、火を焚き続けてきた。一方、この禁止事項について、地道に行政当局と交渉してきたことが実を結び、今年になって、市条例が一部改正され、特定の危険とみなされる場所を除き、火を使うことができるようになった。
 始めの頃は、プレーパークが「みんなの場」となるよう月1回程度のイベント的な開催であったが、より日常的な遊びをと考え、現在の毎週水曜日(月によっては第3日曜日も)に、ボランティアのプレーリーダー(ポレポレのメンバー)が最低2人が出向き、開いている。午前中から午後の早い時間には、自主保育の子どもや大人、昼過ぎからは小学生、最近は中学生やその親も遊びを楽しんでいる。
 毎年、7月のサマープレーパーク(3日間)では、4年前から夜に野外映画会を行い好評を得ている。平成8年2月には、活動10周年の節目とし「ポレポレ公開座談会」を開催、7月には、これまでの歩みと思いをまとめた冊子を発行した。
 今では、これまでの活動が評価され「有馬ふるさと公園プレーパーク」とポレポレの名も広く知られるまでになった。


各地のプレーパークと連携を深め

 ポレポレ会は、これまで世田谷区や横浜市などのプレーパクと連携を深めながら、それぞれの地で行うシンポジウムやイベントの実行委員となって、模擬店の出店などに協力している。
 今年は、日本における冒険遊び場づくりの草分けで、シンボル的存在の世田谷区羽根木プレーパークが20周年を迎える。その記念事業は、世田谷区内4つのプレーパーク及び渋谷のオリンピックセンターを会場に、11月「冒険遊び場全国研究集会」の開催が予定されている。これは、文部省「心の教育・全国アクションプラン」委嘱事業で、主催は、IPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)日本支部である。ポレポレ会もこのプロジュクトの実行委員に参加している。こうした活動は、今、全国各地で求められているということを痛感している。